そんなふうに感じたことはありませんか?
それはもしかすると、HSP(Highly Sensitive Person)という気質が影響しているかもしれません。
HSP気質の方は環境や人間関係に敏感に反応しやすく、刺激の強い職場や過密なスケジュールでは心身がすり減ってしまうことも。
この記事では、HSP気質の方が「ゆるく働きたい」と感じる理由や、無理せず自分らしく働ける方法・環境の見つけ方について、お話ししていきます。
あなたの気持ちが少しでも軽くなるきっかけになるお手伝いができたら幸いです。
目次(クリックすると見出しへ飛べます)
HSPがゆるく働きたいと感じる4つの理由
HSP気質の人は、まわりの音や人の気持ち、小さな変化にもすぐ気づける、繊細な心を持っている人たちです。
だからこそ、フルタイムで毎日働いたり、人の中にずっといると、気づかないうちにストレスをためこみやすくなります。
「ほかの人と同じように働くのがなぜか難しい…」
そんなふうに感じてしまうのは、あなたが弱いからではなく、繊細で細かいことに気づけるからです。
ここでは、HSP気質の方が「ゆるく働きたい」と思う4つの大切な理由についてお伝えしていきます。
自分の気質を知ることで、「自分にやさしく生きるための第一歩」を踏み出しましょう。
1.人間関係に悩みやすい
HSP気質の方は、人間関係でとても気をつかうため、人と関わる仕事は普通の人よりもつかれを感じやすいです。
HSPは「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の略で、「ひといちばい敏感な人」という意味です。
・相手の気持ちに敏感
・叱責やトラブルなどがあると、自分のことではなくてもドキドキする
・大勢の人の前で話すととても緊張する
といった性質があるため、職場の人間関係に人一倍疲れを感じやすいと言えます。
以上のことから、HSP気質の方は人と少なく関わる、ゆったりした働き方をしたいと思う人が多くなっています。
2.落ち着く環境が必要
HSP気質の方は、音やにおい、光などに敏感なので、ガヤガヤした場所では集中できません。
ふつうの人よりも「外からの刺激」を強く感じます。
・電車の音
・スマホの通知音
・明るすぎるライト
・香水のにおい
こういった刺激に敏感に反応しストレスを感じるため、一日仕事に行って帰ってくるだけで、とても疲れを感じてしまいます。
気にならない人には全く理解できないことかもしれませんが、私自身も大きな音は苦手ですし、強いにおいがすると頭が痛くなり集中力が大きく削がれます。
HSP気質の方は、静かで落ち着いた環境で働くほうが安心できるし能力を発揮することができます。
3.責任感が強く抱え込んでしまう
HSP気質の方は、まじめな人が多く、責任感も強いので仕事を頑張りすぎてしまうことがあります。
また、共感力が高く、正義感が強いため、自分の仕事だけでなく、まわりの人の仕事や気持ちも気に掛けて行動することが多いです。
その結果、
・仕事を引き受けすぎる
・「迷惑をかけたくない」という気持ちから休みたいと言い出せない
・いつも気を張っていて、疲れる
といった状態に陥りやすい傾向があります。
上記のことから、HSP気質の方はがんばりすぎないゆるい働き方のほうが無理なく継続できる可能性が高いです。
4.一人の時間が大事
HSP気質の方にとっては、心を休めるための「ひとり時間」がとても大切です。
人と話すことや音・においなどで消耗しやすいので、一人になって回復する時間が必要になります。
もちろん、人に会って話すことでストレス発散になったり、元気になれるタイプの人もいらっしゃると思います。
人それぞれのスタイルがあるので、一概には言い切れませんが、私の場合は人と一緒にいる時間は、どんなに親しい間柄の相手であっても疲労感は感じてしまいます。
だから、ひとりで作業できる、もしくは拘束時間が短めといった、自分ひとりの時間が多めに取れる働き方が適していると感じます。
HSP気質の人は正社員にむいていないの?といった悩みもあるかと思いますので、もし気になる方は下記の記事も参考にしてみてください。
HSP気質のAさん 正直正社員として働くのがつらい… HSP気質のBさん 会社員が向いていないと感じているけれどどうしたらよいのかわからない… もしかしてそんな風に悩んでいたりしませんか? 私自[…]
HSP気質の人がゆるく働ける仕事の環境や条件4選
HSPさんは、感じやすい・気づきやすい・がんばりすぎやすいという特徴をもっています。
そのため、まわりの音や人の表情、空気のピリピリ感などにとても敏感で、ふつうの職場環境がつらく感じやすいことも。
働く場所や仕事のやり方を少し変えるだけで、無理なく、ゆるやかに働ける環境はあります。
ここでは、そんなHSP気質の人がゆるく働ける仕事環境のポイントを4つに分けてご紹介します。
人間関係を気にしなくても良い環境
HSP気質の方は人間関係でとても気をつかうので、1人でできる仕事や、できるだけ少人数の静かで落ち着ける仲間との仕事が向いています。
・相手のイライラにすぐ気づいてしまう
・自分がミスをしたら、すごく申し訳なく感じる
・いつも「気まずくならないように」考えている
など、ちょっとした言葉や表情でも「気にしすぎてしまう」なんて方も多いのではないでしょうか?
人と深く関わらず、マイペースに作業できる仕事を選べば、落ち着いて働けますし作業も捗ります。
五感を刺激されない環境
HSP気質の方は、音やにおい、光などにとても敏感なので、静かで落ち着いた仕事が向いています。
音・におい・光・人の表情などをふつうの人より強く感じる傾向があり。
・騒がしいオフィス
・香水がきつい人がいる
といった職場だと思うように能力を発揮することは難しくなります。
だからこそ、静かで、においや音が強すぎない職場や環境を選ぶことが大切です。
自分のペースでできる仕事
HSPさんは、急かされると頭がまっ白になりやすい傾向がありますので、自分のペースで進められる仕事が合っています。
・「すぐやって!」など急かされると焦る
・失敗しないように丁寧にやろうとして時間がかかる
・まわりが早くても、自分のペースを守りたい
という気持ちに共感できる方も多いのではないでしょうか?
そうであれば、スピードを求められる仕事ではなく、丁寧さを求められる仕事を探してみましょう。
・働く時間が短い
HSP気質の方は人間関係や環境など、まわりの刺激でエネルギーを消耗しやすいので、短めの勤務時間がちょうどいい可能性が高いです。
ふつうの人よりも早く疲れやすいという特徴があります。
たとえ楽しい仕事でも、
・毎日8時間働くとぐったりしてしまう
・帰ったらすぐ寝てしまう
・次の日までつかれが取れない
といった状態なってしまうこともあります。
私自身、まさに正社員で働いていてさらに残業が続いたときに体調を崩しました。
逆に、頻度や勤務時間短めの仕事であれば、疲弊しきってしまう前に勤務時間が終わるので無理なく続けていけるという印象です。
以上のことを踏まえると、HSP気質の方が無理なく働き続けるためには、1日数時間だけ働ける環境や、お休みを取りやすい職場がおすすめと言えます。
ゆるく働きたいHSP必見!おすすめの働き方4選
会社員として働いていると「もうフルタイム勤務は限界かも…」と感じたりしませんか?
私も限界を感じて働き方を見なおした経験があります。
無理せず、ゆるく働く道はちゃんと存在します。
ここからは、繊細な自分を大切にしながら、収入も確保できる働き方4選をご紹介します。
パート・アルバイト
HSPさんには、時間が短くて自由な働き方ができるパート・アルバイトが向いています。
パートやアルバイトは、
- 1日3~5時間くらいの短時間の仕事が多い
- 週に何回働くかも選びやすい
- 正社員よりプレッシャーが少ない
といった特徴があります。
だから、HSPさんの「すぐに疲れやすい」「自分の時間が大事」という気持ちにぴったりです。
厚生労働省のデータでも、短時間労働者の就業理由(個人調査) では、パート・アルバイトの多くが「勤務時間・日数が短いから」と答えています。
HSP気質の方にとって、パート・アルバイトのような何時間勤務という形態は、ゆるく・安心して働ける方法と言えます。
派遣社員【オススメ】
HSPさんには、決まった期間や時間だけ働ける派遣社員も合っています。
派遣社員は、
決まった期間だけ働く
面接や交渉を、派遣会社が代わりにやってくれる
仕事内容も「かんたんな作業」が多め
といった特徴があります。
派遣社員として登録を行っておくと、応募すれば面接することなく就業することもできます。
これは面接が苦手な多くのHSP気質の人にとって大きな利点ではないでしょうか?
私自身も派遣社員として数カ月間の仕事に応募することが多く、HSP気質の人の強い味方だと感じています。
派遣社員として働く場合、期間が短いことから人間関係もそんなに複雑にはなりませんし、働く時間の短いものを選べたりしますので、HSP気質かもという方に向いている働き方だと思います。
在宅ワーク
HSP気質の方は、家で働ける「在宅ワーク」も向いています。
在宅ワークは、
・自宅で落ち着いて仕事ができる
・音やにおいが気にならない
・メールやチャットで済む場合もあり人と話す機会が少なくて済む
・自分のペースで進められる
といった特徴が、HSP気質の人にとってはありがたい部分です。
環境からのストレスや対人関係の悩みが大幅に軽減される可能性が高く、HSP気質の方が安心して、自分らしく働ける最強の方法かもしれません。
フリーランス
HSPさんには、仕事の内容も時間も自分で決められる「フリーランス」もおすすめです。
フリーランスとは、簡単に表現すると個人で仕事を選んで働く人のことです。
・仕事の量を自分で調整できる
・人間関係にしばられない
・場所や時間も自由
といった特徴があり、自分の感覚や生活を大切にしたいHSP気質の人の選択肢の一つとなります。
HSPが後悔せずにゆるく働くためにおさえておきたいポイント
「ゆるく働きたい」と思ってはいるけれど、いざ行動に移そうとすると「本当にこれでいいの?」と不安になりますよね。
HSP気質の人が後悔せず、心から納得できる働き方を実現するには、ゆるさの基準を明確にすることが大切です。
ここでは、自分にとっての「ちょうどいい働き方」を見つけるための2つの視点を紹介します。
ゆるくの定義を自分の中で言語化する
HSP気質の方が自分らしく働くためには、「ゆるく働くってどんな状態?」という部分を自分の言葉で考えることが大切です。
「ゆるく」と言っても、人によって意味は違います。
たとえば
「1日4時間までならOK」
「人と話すのは少しなら平気」
「静かなら長く働いても大丈夫」
など、ひとりひとり別の表現になるかと思います。
こういう自分だけのゆるさの基準をはっきりさせることで、あとで「こんなはずじゃなかった…」と後悔しにくくなります。
「ゆるく働く」とはどんなことか、自分で言葉にしてみたことがない、という方はぜひ一度考えてみてください。
自分にとって何が一番ストレスか把握する
HSP気質の方が安心して働くには、自分が「何に一番疲れるのか」を知っておくことも重要です。
五感が敏感な方が多いので、いろんなことがストレスになりますが、実際問題として仕事を探す場合はそのすべてを避けるのは難しいのが現実です。
だからこそ、「一番つらいもの」を最優先で避ける工夫をしていきましょう。
たとえば
・大きな音が苦手(直属の上司の声が大きくてつらい)
・人間関係が苦手(チームでの会話が苦手・こわい)
・スピードを求められるのが苦手( 急がされると頭が真っ白に)
この中でも、人によって一番疲れる、もしくは一番ストレスを感じる事柄は違うと思います。
孫子の兵法にも「敵を知り己を知れば百戦危うからず」という有名な言葉がありますが、己を知るということはHSP気質の方が仕事を探す上で必須事項といっても過言ではありません。
自分にとって「これだけは絶対に無理」というストレスを見つけておくことが、後悔しない働き方に繋がります。
【まとめ】HSP気質の人が一般的な会社で働くとストレスが大きい。可能であれば環境を変えたほうが精神衛生上良い。
HSP気質の人が「ゆるく働きたい」と感じるのは、決して甘えやわがままではないと私は思います。
HSP気質の人たちの多くが、まわりにとても気をつかったり、責任感が強くてついがんばりすぎてしまう、そんな優しさや繊細な心を持っているからこそなのではないでしょうか?
だからこそ、自分にとって「ゆるくっとはどういう状態?」「何にいちばんストレスを感じる?」といったことをしっかりと整理し把握しておくことがとても重要になります。
もし、毎日ぐったりして帰ってきたり、休日にしっかりと休んでも回復が追い付かないほどつかれているなら、心のケアとして環境そのものを見直すことも大切です。
短時間のパート・アルバイト、期間が短めで人間関係も比較的さっぱりしている派遣社員、家で自分のペースでできる在宅ワークやフリーランスなど、HSP気質の人に合った働き方はたくさんあります。
無理に我慢して働き続けるより、「自分にやさしい働き方」を選んだほうが、長い目で見ればきっと心も体も元気でいられます。
もしかしてHSPかも、と思っている方は、自分のペースで自分らしい働き方を見つける、という選択肢があることだけでも覚えておいてくださいね。